
お知らせ
ふじみ野の歯医者さん、きくち歯科クリニックです。
2022年8月、ヤフーニュースで「マスクとスマホによって顎関節症を発症する方が増えている」という記事を見つけ、このWEBサイトでご紹介させていただきました。
今回は当時の記事を2025年9月バージョンに内容を書き直したいと思います。
マスク×スマホで顎関節症が増加?
ここ数年、歯科医院を訪れる患者様の中で「口が開けにくい」「顎がカクカク鳴る」「顎やこめかみが痛い」といった顎関節症の症状を訴える方が増えています。従来、顎関節症は歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせの不具合などが主な原因とされてきましたが、最近ではコロナ禍以降の生活習慣の変化も影響していることが指摘されています。特に「マスクの長時間使用」と「スマートフォンの使用習慣」が、顎関節症を悪化させる大きな要因となっているのです。
マスクが顎に与える影響
マスクを長時間着けていると、呼吸がしづらくなり、無意識に口呼吸や浅い呼吸になりやすくなります。口呼吸の習慣は、舌の位置を下げ、下顎を後方に押し込む姿勢を作り出します。すると顎関節に余計な負担がかかり、関節円板がずれたり、筋肉が緊張したりして顎関節症の症状が出やすくなります。
また、マスクをしていると表情が見えにくいため、無意識に口元の筋肉を動かさなくなる傾向もあります。表情筋の運動不足は血流を悪化させ、顎まわりの筋肉がこわばりやすくなることも、症状を悪化させる要因といえるでしょう。
スマートフォン使用と顎関節症
スマートフォンを長時間使用する人も顎関節症のリスクが高いとされています。スマホを操作する時、多くの人が頭を下に傾け、首や肩が前方に突き出した姿勢になります。この「ストレートネック」や「スマホ首」と呼ばれる姿勢は、頭の重さを支えるために顎の筋肉へも負担をかけます。
さらに、画面に集中している間は歯を食いしばる癖が出やすく、顎関節に余分な力が加わります。就寝中の歯ぎしりや昼間の無意識な噛みしめが合併すると、顎関節へのダメージはさらに大きくなります。
顎関節症の主な症状
顎関節症にはいくつかの代表的な症状があります。
- 顎を動かすと「カクッ」「ジャリッ」と音がする
- 口が大きく開けられない、開けると痛みがある
- 噛むときに顎やこめかみに痛みが出る
- 顔の左右で噛みにくさを感じる
- 頭痛や肩こり、耳の奥の違和感を伴う
これらの症状がある場合、生活習慣の改善や歯科医院での相談が必要です。
自分でできる予防とセルフケア
顎関節症は、生活習慣を見直すことで軽減できることがあります。以下は日常で取り入れやすい対策です。
- マスク中も意識して鼻呼吸をする
- 表情筋を動かす
- スマホの使用姿勢を正す
- 歯を食いしばらない意識
- 温めて筋肉をほぐす
口呼吸を避け、舌を上顎に軽く当てる位置を意識しましょう。
マスクをしていても笑顔を作ったり、口を大きく開けて発声する練習をしたりすると、筋肉のこわばりを防げます。
スマホは目の高さに近づけ、首を極端に前へ倒さないようにします。
日中に「上下の歯を離す」ことを意識するだけでも顎関節への負担が減ります。
顎やこめかみに温かいタオルを当て、筋肉の血流を改善させるのも有効です。
歯科医院での治療
セルフケアで改善しない場合は、歯科医院での治療が必要です。治療法としては、以下のようなものがあります。
- マウスピース(スプリント)療法
- 噛み合わせの調整
- 生活習慣指導
夜間の歯ぎしりや食いしばりを防ぎ、顎関節への負担を軽減します。
歯の高さや噛み合わせのズレを調整し、顎の動きをスムーズにします。
スマホの使用時間や姿勢、ストレス管理など、再発を防ぐためのアドバイスも重要です。
顎が痛い、顎関節症でお困りの方は当院へ
顎関節症は、かつては噛み合わせや歯ぎしりが主因とされてきましたが、現代ではマスク生活やスマホの使用習慣といった「新しい生活習慣」が大きく影響しています。長引く症状を放置すると、慢性的な頭痛や肩こり、さらには日常生活に支障をきたすこともあります。
「最近、顎が疲れる」「開けづらい」と感じたら、早めに歯科医院へ相談することが大切です。生活習慣を少し工夫しながら、専門的なサポートを受けることで、顎関節症は改善・予防が可能です。些細なことでも、お気軽に当院へご相談くださいませ。
きくち歯科クリニック