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高齢者にとっての予防歯科の重要性
医療の発達や健康志向の高まりにより、「人生100年時代」といわれる現代。長寿を楽しむためには、食べる・話す・笑うといった日常の営みを支える「口腔機能」をいかに維持するかが鍵となります。
特に高齢者にとって、歯の健康は生活の質(QOL)を大きく左右します。虫歯や歯周病を未然に防ぐ「予防歯科」は、若い世代だけでなく、むしろ高齢者にこそ必要不可欠なのです。
このページでは、高齢期に多いお口のトラブルと予防歯科の重要性、そして日常でできるケア方法までご紹介いたします!
なぜ高齢者に予防歯科が必要なのか?
高齢になると、加齢に伴う変化により以下のようなリスクが高まります。
- 歯ぐきが下がることで露出した「歯の根」に虫歯ができやすくなる(根面う蝕)
- 唾液の分泌量が減り、口腔内が乾燥しやすくなる(ドライマウス)
- 歯周病の進行により歯がぐらつく、最悪の場合は抜けてしまう
- 義歯や被せ物の隙間に汚れがたまりやすい
- 飲み込む力が衰え、誤嚥性肺炎のリスクが増す
こうしたリスクは、日頃からの丁寧な口腔ケアと、定期的なプロフェッショナルケアによって予防・改善することが可能です。
高齢者に多いお口のトラブルとその原因
1. 根面う蝕(こんめんうしょく)
歯ぐきが下がって歯の根元(セメント質)が露出すると、虫歯になりやすくなります。歯の根は酸に弱く、少しの糖分でも虫歯が進行しやすいのが特徴です。
2. 歯周病の進行
歯周病は慢性疾患であり、年齢とともに症状が進行しやすくなります。歯がグラついたり、口臭の原因になるだけでなく、糖尿病や動脈硬化との関連も指摘されています。
3. ドライマウス(口腔乾燥症)
加齢や薬の副作用、ストレスなどが原因で唾液の分泌量が減少します。これにより、口内の自浄作用が低下し、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
4. 誤嚥性肺炎
口腔内に残った細菌を誤って気管に吸い込んでしまうことで起きる肺炎です。高齢者の死亡原因の上位を占めており、口腔ケアが非常に重要です。
高齢者におすすめの予防歯科対策
- 定期検診(3~6か月に1回)で、虫歯や歯周病の早期発見・治療
- 歯科衛生士によるプロフェッショナルケア(PMTC)で徹底的に歯垢除去
- フッ素塗布で歯の再石灰化を促し、根面う蝕を予防
- 口腔内の乾燥対策として、保湿ジェルや唾液腺マッサージの活用
- 義歯の洗浄・調整や、噛み合わせのチェック
- 飲み込み(嚥下)訓練や、口腔体操による筋力維持
自宅でできる口腔ケア
- やわらかい歯ブラシを使って歯と歯ぐきをやさしくブラッシング
- フロスや歯間ブラシで歯と歯の間の汚れを除去
- 義歯は毎日外して、専用の洗浄剤で清潔を保つ
- 舌ブラシで舌苔(ぜったい)を取り除く
- 食後は水やお茶で口をすすぎ、食べかすを洗い流す
ご家族・介護者のサポートも重要
高齢になると、手や指の動きが不自由になり、自分で歯を磨くことが難しくなる方もいます。ご家族や介護者による「見守り磨き」や「仕上げ磨き」が、口腔の健康維持に欠かせません。
また、訪問歯科診療を活用すれば、自宅や施設にいながら専門的な口腔ケアを受けることもできます。
ふじみ野 きくち歯科クリニックならどんなお悩みも真剣にお聞きします!
「年をとったら歯が悪くなるのは当たり前」と思われがちですが、正しい予防とケアを行えば、高齢になっても自分の歯を守ることは十分に可能です。
歯が健康であれば、食事を楽しめ、発音が明瞭になり、笑顔にも自信が持てます。
その結果、生活の質が向上し、健康寿命を延ばすことにもつながります。
当院では、高齢者の口腔ケアに精通したスタッフが一人ひとりに合った予防プランをご提案しています。
ご自身の歯を長く保つために、ぜひ定期的な受診と口腔ケアを習慣にしていきましょう。